「Just You」は、いらないものを数え上げていました。「No rush」も同じことをしますが、もっと具体的です——コーヒーと電話と、窓の外の雲とともに。
アルバムでいちばん長い歌詞で、10曲の中で言葉の数がいちばん多い曲です。どこにも急がない、と言うために、これだけの言葉を使っています。
31回の“no”
最初の一行は“No need for the city lights… no need for the rush…”——街の灯りはいらない、急ぐ必要もない。
“no”という言葉は、ここで31回出てきます——アルバムのほかのどの曲よりも多い数です。大きな休暇も、ソーシャルメディアも、ダイヤも、締め切りも、ストレスもいらない。
けれど、これは何かをあきらめる歌ではありません。ひとつひとつの“no”が、別の何かのための場所を空けています。“The world can wait… outside the door… / I’ve got all I need… right here on the floor…”——世界は待たせておけばいい、ドアの外で。必要なものは全部ある、ここ、この床の上に。
ベッドでコーヒーを
2番のヴァースは“No big vacations… no tickets to fly… / Just coffee in bed… watching clouds go by…”——大きな休暇もいらない、飛行機のチケットもいらない。ただベッドでコーヒーを、流れる雲を眺めながら。
さらに“No social media… no need to post…”——ソーシャルメディアもいらない、投稿する必要もない。「Road」の画面とフィルターに続いて、アルバムがその世界に背を向けるのは、これで2度目です。
その代わりにあるのは“Just your laugh in the morning… that’s what matters most…”——ただ朝の君の笑い声、それがいちばん大切なこと。
これは本物
サビは“No rush… just you and me… / No luxury… just what we see… / In your arms… time stands still… / This is real… this is real…”——急がなくていい、君と僕だけ。贅沢はいらない、目に映るものだけ。君の腕の中で、時が止まる。これは本物、これは本物。
“real”という言葉は、ここで6回——アルバムのほかの曲すべてを合わせた数の3倍です。
『Veil of Mystery』は、画面の向こうに本物を探すところで終わっていました。“Searching for real…”——本物を探して。ここでは、誰かがそれを見つけています。旅でも贅沢でもなく、誰かの腕の中で、朝、急がずに。
隠れられる場所
3番のヴァースはこう終わります。“No words are needed… when you’re by my side… / This simple love… is where I hide…”——言葉はいらない、君がそばにいるなら。このシンプルな愛が、僕の隠れ場所。
“No words are needed”は、「Just You」の3番のヴァースにもありました。この2曲は互いに語り合っています。一方はいらないものを数え上げ、もう一方は、それが何もない一日がどんなものかを見せてくれます。
アウトロは“No rush… just you and me… / No rush… forever free…”——急がなくていい、君と僕だけ。急がなくていい、いつまでも自由。
この曲はSpotify、Apple Music、YouTube Musicで聴けます。
次の記事では「Just Like This」について書きます——アルバムでいちばん明るい曲、キッチンでの朝と、ただそれだけの歌です。
ここに来てくださって、ありがとうございます。
Adam Smentoch
Dust Anthem プロジェクト主宰





